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北海道電力の電気料金再値上げについて エネ庁の査定案まとまる

査定案に関する質疑に応答する北電の説明者

査定案に関する質疑に応答する北電の説明者

「総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電気料金審査専門小委員会(委員長:安念 潤司 中央大学法科大学院教授)」が、北海道電力株式会社による供給約款変更認可申請の妥当性を検証し、委員会としての査定方針案を取りまとめました。

今回の値上げ申請は昨年9月の値上げから1年足らずの再申請であり、前回7.7%の値上げに加えて17.0%という大幅な値上げ申請であること、また値上げ実施時期が北海道では電力需要が高まる10月としていることから、地域の消費者の家計や行政サービス、企業活動等に大きな支障を及ぼすことが危惧されます。経産省の公聴会、消費者庁の地元との意見交換会、国民の声でも、経営効率化がなされているのかについて、厳しい意見が寄せられました。

電気料金の査定案が出たことで、今後は査定に基づく料金認可について、経済産業大臣と消費者庁担当大臣との協議が始まります。

査定案は以下の通りです。


 

(経済産業省のHP引用)

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485


 

(参考)

総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電気料金審査専門小委員会(第19回)‐配布資料

総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電気料金審査専門小委員会(第19回)‐配布資料

第18回総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電気料金審査専門小委員会

参考資料


国民の声にコンシューマネットとして提出した意見

北海道電力株式会社の電気料金値上げ申請に係る「国民の声」

今回の値上げ申請は昨年9月の値上げから1年足らずの再申請であり、前回7.7%の値上げに加えて17.0%という大幅な値上げ申請であること、また値上げ実施時期が北海道では電力需要が高まる10月としていることから、地域の消費者の家計や行政サービス、企業活動等に大きな支障を及ぼすことが危惧されます。物価上昇、消費増税、原油価格高止まりなど道民にとって死活問題となりかねません。今回の値上げ審査は電源構成変分認可制度の適用となり、審査対象が限定されていますが、値上げ審査の際は、同制度やタイムスケジュールにとらわれることなく、聖域なしで厳格な査定を行い、値上げ幅を最大限抑えるべきです。特に、全国に先駆けての再値上げ申請であり、前回の査定を踏まえた効率化計画を着実に実施したかが問われするとともに効率化の進捗状況および今後の収支見通しも含めについて消費者に明確な説明する責任があります。また、今後、電源構成の変更により費用削減が可能となった場合に、速やかに料金値下げを行うことを明確にすべきです。以下具体的に述べます。

経営効率化について

前回値上げ時に約束した「経営の効率化」については具体的にどう進めてきたのか根拠となるデータを示してください。また今後の経営環境を踏まえての更なる経営効率化についての具体的な計画を示してください。また、以下の点についても北電の説明を求めます。

  1. 役員の報酬は50%削減したとされていますが、それでも2000万円支払われています。昨年の申請時に経産省に1800万円にするよう求められたと思います。資本欠損ぎりぎりの赤字会社であれば、北海道水準より下げるべきことも検討されるべきです。
  2. 役員報酬については、平成24年度から段階的に減額幅を拡大しているとされているが、具体的にどの程度削減されているかを明確に説明すべきです。
  3. 人件費中、退職給与金における運用による減少の補てんをしていることについてへ、原価に算定すべき項目と思えません。
  4. 再値上げ申請後に公表の合理化策は社宅売却の10億円のみとなっており、より経営効率化努力をしたとは思えません。
  5. 平成26年度の普及開発関係費等の削減の主な取組として、「省エネ情報館」の閉鎖などを挙げているが、更に削減できる事業や削減時期の前倒しの余地はないか。
  6. 資産売却(土地・建物、有価証券等)、グループ会社の再編・統廃合等について、更なる取組の余地はないか。
  7. 電力中央研究所への支出削減について明確に説明しているか。

原発再稼働の見込みについて

原発依存を続けるための値上げであり、反対との意見を尊重すべきです。 値上げの理由として挙げた「泊原発の運転停止の長期化」に対し今回の申請で泊原発3基の再稼働時期を2015 年11 月~2016 年3 月としている根拠を具体的に示してください。エネ庁の査定では原発稼働した場合の速やかな値下げの可能性についての議論が進んでいます。原発依存の経営の抜本的見直しをすべきです。

電源構成について

今回の値上げも原子力発電所の再稼働が前提になっており、その時期についても想定されています。しかし現在の再稼働に向けての審査の進捗を見る限り、その前提が崩れる可能性も多々あり、その場合の再度の値上げの不安が払拭できません。たとえば再生可能エネルギーをはじめとする電源構成の多様化をすすめるなど、リスク軽減策をお持ちなのか、あれば具体的にどのように実行していくのかをご説明ください。

燃料費について

1火力発電用燃料費の増大を抑えるための対策について、火力燃料費抑制のために具体的に行った対策、ピークシフト・メリットオーダーの具体例、卸電力取引所等の活用実態、再生可能エネルギーの活用実態について説明をしてください。

2燃料費と購入電力料を一緒にしていることは疑問です。燃料費については、具体的に削減できる努力を示してください。

3北電の説明からは原価算定期間中の話しかみえてきません。今後10年・20年の計画を示していただかないと今回なんのために値上げするのかがわかりません。自然エネルギーの中でも安定的なバイオマス発電に切り替えながら行うなどというような具体的な計画を示してください。

4発電効率の高い設備への更新。原発依存するあまり火力の設備更新を怠った経営責任を負うためにも役員報酬は削減し、さかのぼって返還させることも検討すべきです。LNGなどのように発電コストが安くエネルギー効率高いものを早急につくるべきです。今やコストが安くなった気熱発電への切り替えも取り入れるべきです。

使用済み核燃料処理について

1北電の経営を今回の値上げ申請に追い込んでいるのは火力発電の燃料費ではありません。概ね昨年申請時における経営効率化の数字は達成しているのですから、本来であれば原子力発電関連の固定的な巨額な支出を原価算定にいれないことも検討すべきです。原価やレートベース算定に関わる原子力関連の膨大な支出について、原価にどう反映させるかについて抜本的な対策を求めます。

2再処理に関して、日本原燃との契約など不利益なものがないかについては見直してください。

3最終処分に関しては、安全についての議論も技術的な研究も完了しておらず、さらに膨らむことが予想されます。原発稼働すれば逆にますます電気料金が上がることが心配されます。

需要家への対応

地域独占で事業を行う事業者として、顧客の満足度を上げる努力は必須です。特に規制部門利用者の電力利用実態を調査・分析し、現在は電力会社を選べない消費者に対して、より生活の実態に合った選択できる料金メニューを用意するなど、ユーザー還元という視点を明確にした事業展開を望みます。

経済的弱者保護について

電気料金の支払いが滞った時、安易に簡単に電気料金を止めてことは多額の値上げをする以上配慮すべきです。不払い時の電気を止める方法が今までと違うやり方で消費者には酷であり配慮を求めます。

電力システム改革との整合性

1電力システム改革との整合性を図らねばならないと考えます。経営悪化の原因は原発にこそあります。減価償却の終了した火力発電所が、フル連続運転して大幅な利益を上げているにもかかわらず経営が悪化しているようでは、今後の自由化に耐えられません。電力システム改革のトップランナーとして生まれ変わるべきです。

2北海道の広大な土地、自然環境に恵まれた立地から、最も適した地域です。全国のモデル地域になりえる可能性も十分です。石油等に代わるクリーンなエネルギーとして普及・導入を要望します。原発が国策なら、原発は国の管理下にして廃炉にすべきですとの考えもとりえます。

3廃炉を含めると安いといえない原発。北海道は食糧の基地。一旦事故が起きると壊滅的な被害を受ける。原発依存の道を捨てて自然エネルギーへの転換を、北電自ら先頭に立ってやってください。

4北海道条例108号「北海道、省エネルギー・新エネルギー促進条例」に沿って、電力の多様化を推進し、北海道におけるエネルギー政策の展望を明らかにしてください。

以上、電源構成変文認可制度や料金査定の論点を超える部分がありますが、意見を述べます。

 (古賀 真子

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